水虫について
水虫は、皮膚の病気です。足の皮膚に白癬菌というカビの一種が侵入し、増殖することで起こります。皮膚症状は、足だけではなく、手・頭・顔・股間など全身に白癬菌が広がります。主な症状は、足裏の皮が剥ける・水ぶくれ(水疱)ができる・粉をふいたようになる・足指間がジクジクするなどの症状が現れます。さらに、白癬菌が体内に侵入すると、ほかの疾患を引き起こす恐れがあります。特に、高齢者や糖尿病のある場合、抵抗力が低下しているため、水虫による炎症部位から二次感染を引き起こすと、重症化することがあります。白癬菌は、バスマットや床・スリッパなどを介して移ることがあるため、注意が必要です。また、水虫の市販薬が身近にあること、或いは自覚症状に気づきにくいことなどから、水虫で皮膚科を受診する機会が少ないのが実状です。水虫をしっかりと治すには、皮膚科専門医に相談することをお勧めしています。治療期間は、だいたい半年以上かかるため、気になる症状がある場合は、なるべく早めにご相談ください。
爪水虫
白癬菌が足や手のつめに感染すると、爪水虫になります。爪が分厚くなる・盛り上がる・白く変色するなどの症状が見られます。水虫のように、自分にも他人にも移る可能性があります。
水虫の症状
水虫の症状は、以下の3つに分類されます。
趾間型
指の間がジクジクとしてふやけた感じになる
小水疱型
足裏や側面が水ぶくれ(水疱)が現れる
角質増殖型
足裏全体が分厚くなる
※趾間型・小水疱型は、痒みが伴うため水虫と自覚できますが、角質増殖型は痒みなどの症状がないため、水虫という自覚が難しい傾向があります。しかし、角質増殖型が最も重症で、放置してしまうと爪に白癬菌が入り込み、爪水虫を引き起こします。爪水虫になっても自覚しにくく、他人に移してしまうことがあります。さらに放置することで、爪が分厚く変形し、次第に歩行時に痛みが生じるようになり、日常生活に支障を及ぼすようになるので注意が必要です。
水虫の治療
水虫のタイプや症状によって治療に用いる薬剤が異なります。一般的な水虫も爪水虫も、通常は外用薬を処方しますが、難治性の爪水虫の場合は、内服薬によって体内から白癬菌に働きかけるのが有効とされます。また、外用薬治療を行うとかぶれが生じることがあります。処方された外用薬で痒みや発赤・ブツブツなど症状が悪化した場合は、速やかに受診してください。その場合、まずは外用薬を使用中止し、ステロイド剤などでかぶれ症状を緩和させます。気になる症状がある場合は、経過観察を行い、症状を見極めながら薬剤を使い分けます。