じんましんとは
痒みを起こすヒスタミンという物質が、神経や血管を刺激することで皮膚に痒みや腫れが生じます。全身のどこにでも発症しますが、特に圧迫される部分や擦れやすい部分に現れやすく、24時間以内には消えるのが特徴です。ただし、喉粘膜に起こると、声がかすれて場合によっては呼吸困難を引き起こす恐れがあります。また、原因が特定できないじんましんを特発性じんましんと呼び、じんましんの約90%は特発性じんましんです。
じんましんの症状
特発性じんましん
虫刺されのような膨らんだ発赤が現れます。強い痒みが伴い、症状は一過性ですが、毎日繰り返し痒みや発赤が現れます。
特定の刺激によって起こるじんましん
外来物質によるアレルギー性じんましん
食事後や服薬後・虫の毒素・吸入物のアレルギー反応によって、数分~数時間後にじんましんが出現します。皮膚症状が改善すれば、原因物質を除去し、摂取しなければじんましんの症状は出ることはありません。
外来物質による非アレルギー性じんましん
鯖・豚肉・タケノコを食べた後や、CTやMRI検査時の造影剤などを入れた後にじんましんが現れます。アレルギー性じんましんと比較して、原因物質が分からないことが多いとされます。
食物依存性運動誘発性アナフィラキシー
卵や小麦・魚介類など特定の食物を摂取した後、運動することで
アナフィラキシー症状が現れます。風邪薬や痛み止めなどが原因となることもあるので注意が必要です。主に、顔面や手足の発赤・腫れ・喉の違和感・呼吸苦・呼吸困難・血圧低下などが現れます。
不耐性によるじんましん
食品添加物・防腐剤・風邪薬・鎮痛薬などを摂取した後に、唇やまぶたの腫れ・じんましんが現れます。
物理性じんましん
機械性じんましん・寒冷じんましん・温熱じんましん・日光じんましん・水じんましんなどがあります。
コリン性じんましん
疲労やストレス・温熱が原因でじんましんが出て、発汗が伴います。夏に悪化することが多く、冬に改善したり、夜間には出ないなどの特徴があります。
接触じんましん
アレルゲンとなる植物や化学物質に触れた皮膚部分にじんましんが現れます。接触15分ほどでじんましんが出るアレルギー性のものと、時間が経過してから出る非アレルギーのものとがあります。口腔アレルギー症候群・ラテックスアレルギーなどはこのタイプのじんましんです。
血管浮腫
まぶたや唇・頬などに突然むくみが生じ、痒みや熱感・頭痛・胃腸症状・食欲低下を伴うことがあります。これらの症状が数時間~数日間続き、長期化する場合もあります。喉の粘膜に起こると呼吸困難になるケースがあるため注意が必要です。
じんましんの治療
飲み薬
- 抗アレルギー薬:アレロック®・アレジオン®・クラリチン®など
- 抗ヒスタミン薬:タベジール®・ポララミン®など
※アナフィラキシーショックや呼吸困難症状がある場合は、ステロイド剤またはアドレナリン注射を行うことがあります。